Team KMY-T & wingYOSHII RC
team-introduction...

われらが小川健選手の属する『KMY-T&ウィングよしい』は、今年度、出来立てホヤホヤのチームです。今回は、特にメカニックさんにスポットを当て、レーサーとのセッティングの様子など、普段はなかなかわからない裏舞台についてインタビューしました。
 とっても、アットホームな雰囲気の中に、「全員でレースを楽しもう」という心意気がいっぱい!こんなホットなメンバーがいてこそ、選手は走りに集中することができるんだ、と実感させられました。

チームメンバー紹介

ライダー : 小川 健
メカニック : 高木 友幸
アドバイザー : 酒井 勇一
広報マネージャー : 小川 真樹
応援隊長(!?) : 小川 悠真

support : ウィングよしい

メカニック 高木友幸 プロフィール
1988年より全日本ロードレース選手権 メカニックを開始。トップライダーからプライベータ―まで あらゆるライダーのメカニックを勤める。
2003年のアジア選手権では中国に拠点を置く「宗申(zongshen)レーシングチーム」のメカニックとして、各国を転戦。
2004年より、小川健のメカニックとなり、ゴッドハンドとして活躍中。

小川選手、理想のチーム像を語る

 僕は、約7年間"Jhaレーシング"のクラブ員として、レースをしてきました。さすが、名門チームで、新製品の入荷が早かったり、メーカーサイドから多くのアドバイスを受けることができたり、本当に助かることばかりでした。
 しかし反面、組織としてやっていくことの難しさ、自由さがなかったのも事実です。僕も30代に入り、残り少ないレース人生を、原点に戻り、「レースが好きで仕方が無い!」というところへ戻りたくなったのです。
 そこで、ウィングよしいさんのお力を借り、僕自身のためのチーム『KMY-T&ウィングよしい』をつくり、2004年度の全日本選手権に参戦することにしました。
 このチームは、今までどこにもなかったくらい、家庭的なものを目指しています。そんな思いをこめ、そしていつも忘れないように、チーム名を、僕の家族とメカニックの高木さんの頭文字をとって、『K(けん)M(まき)Y(ゆうま)−T(たかぎ)』と名付けました。
 しかし、いくら家庭的といえども、ただナァナァで終わるダラダラした関係ではなく、精一杯やった結果に対して、メンバー全員が考え、反省し、次のレースに繋がるよう色々な意見を交換できる、そんな活気のあるチームにしていきたいと考えています。

 

ライダーと、それを支えるメカニックさんの関係

 メカニックさんの仕事は、ライダーのマシンを預かること、すなわちライダーの命を預かることです。当然いい加減な仕事はできません。メカさんはライダーの命に責任を持ち、だからこそ、ライダーはメカさんのことを心から信頼し、思い切り走ることができるのです。
 そのメカさんの受け持つ仕事は、可哀想なくらいあります。高木メカニックも、ご多分に漏れず、普段は会社員としての生活があるのですが、選手が練習を終えマシンを預かると、会社からの帰宅後に、細々とした整備を行います。
 砂や泥まみれのマシンを見つめ、メーターや配線にかからないよう細心の注意を払いながら水洗いをしてエアを吹く、油面のチェック、ブレーキのエア抜き、曲がりが無いか、ひび割れが無いか・・・すべてをチェック、チェック。それらの作業の中でも、メカ泣かせなのは、転倒のたびのカウル修正。そして、最も手間入りなのが、半年に一度行うエンジンのOH(オーバーホール)。この作業があるときは、平均睡眠時間が3時間弱になってしまいます。
 しかし、ここまでが仕事ではないのです。サーキットへたどり着く前までに、マシンが整備され、ピカピカに磨かれているのは、準備にしかすぎません。本来のメカさんの役目は、ライダーと一緒にマシンを作り上げていくことなのです。ライダーが走り、その状況をメカさんに伝える、そしてそれを聞きライダーの思い描いているマシンへとセッティングしていく。一緒に試行錯誤していくのです。
 こんな支えがあってこそ、ライダー走ることができるのです。


ライダーとメカニックのコミュニケーション 〜 練習走行時にピットへ入ってきたときの会話を再現

ライダー 「最終のコーナリング中、フロントにチャタ(振動)出てます!」
メカニック 「そのチャタさぁ、細かく?それとも大きく?」
ライダー 「細かくですねー」
メカニック 「前荷重と後ろ荷重だと、どっちがひどい?」
ライダー 「うーんと、前荷重の方がひどくなります。けど、もっと前に荷重したいんですけど・・・」
メカニック 「わかった!フロントのtenを1/2かけてみよう。2〜3周走って駄目なら、すぐピットインしてね!」
ライダー 「わかりました!」


・・・そして2〜3周後・・・
メカニック 「どうだった?」
ライダー 「まだ駄目っすね。ていうか、余計ひどくなりました!」
メカニック 「あれ?おかしいなぁ。サスは動いている感じする?」
ライダー 「ちょっと渋い感じがします」
メカニック 「動いてないの?」
ライダー 「はい」
メカニック 「残ストもけっこうあるなぁ・・・。あれ、ていうか逆じゃねーか?
       ten抜いて走ってみなよ。また駄目なら、すぐピットインしてね!」
ライダー 「わかりました!!」


・・・しかし、この後、ライダーはピットインせず・・・
   その間、メカとマネージャーはコーヒーを飲みつつ、こんな会話を・・・
メカニック 「なんでピット入って来ないかな〜!あれほど、様子がおかしければすぐ入れっていったのに」
マネージャー 「ネズミみたいに、くるくる回ってたいんじゃないっすか。
          多分、ライダーはサイドボードすら見てませんよ!」
メカニック 「じゃ、こんなボードいらねぇじゃん!!」


・・・そして、とうとう走行時間終了のチェッカーフラッグが振られる・・・
メカニック 「どうだったの?」
ライダー 「こっちの方がいいかんじっすねー。まだチャタは出ますけど」
メカニック 「そっかー。じゃ、こっちの方向で煮詰めていくか」
ライダー 「そうですね。ところでタイムはどうですか?ちょっと上がってるでしょう!」
メカニック 「は?ほとんど変ってねーよ!」
ライダー 「うそーー!!ガックリ・・・」